2017-12-25

ギャラリー巡りで出会う作品を飾る額縁

こんにちは。
majakkaのオーダーメイド額縁です。

今回は、美術館・ギャラリー巡りが好きなかたに届きますように。
そんなお話です。

鑑賞だけではなく
観ることで、その作品に心動かされ、
いつも眺められる手元に置いておきたい。
という気持ちから、作品を購入されるかたもいると思うんです。

そして、ワクワクした気持ちで、ともに家に帰ってきて
(展示終了後に手元に来るというケースもあります)

さあ、いざ、飾ろう!
となったとき、

「あれ?どう飾ろう?」
「飾りたいのに、何か違うなあ?」と。

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ギャラリー巡りで出会う作品を飾る額縁・majakkaオーダーメイド額縁

今回ご紹介する額縁は、まさにそんな額縁です。

作品展にいき、作品を購入され、
しばらくの間は、そのまま展示されていたときの状態で飾られていたそうです。

でも、時間の経過とともに、しっくりこない・・・
作品の良さが、飾られかたで、曇ってしまっているのかな?
もっと、作品を魅力的に息させるよう、飾りかたを変えたい。
とのご依頼でした。

もともとは、陶板の作品が
織り目のざっくりとした淡い青色のキャンバス地のまかれた板パネルに固定されていました。

松野真理さんという作家さんの生み出す作品の特徴をお客さまから伺いながら
お互いのイメージを、すり合わせていきます。

線のキリッとした版画作品に
作家さんご自身が見つけ、コレクションされている
趣きのある布・紙が、コラージュされた一体感が、
お客さまは気に入られている様子でした。

線のキリリは、作品の女性の視線のキリリ感にも響いていて
その線・視線の鋭さと、時に優しくポップな印象のコラージュの背景との調和が大切であることを、お話しを深めていくことでハッキリみえてきました。

もちろん、作家さんと同じ材料を揃えることはできません。
かといって、なんとなく「いいかな?」な無難な仕上がりも
もちろん求めていません。

majakkaさんにお任せしますので、
majakkaさんのセンスで活かして仕上げてください。
ということで、

手元のストックの布、紙、をひろげながら
あーでもない、こーでもない、考え
なかなかピンとこないなあ、ということで
新たに質感の面白い紙を探し求め。

材料を選ぶと、今度はそれぞれの布・紙の見えかた&見える分量を
少しずつ調整しては、

作品と背景が一体感を持ち、気持ちよく見えるバランスを探していきます。

ギャラリー巡りで出会う作品を飾る額縁・majakkaオーダーメイド額縁

額縁を製作し、そこにおさめるだけでなく
背景も作品の物語として、ともにおさめる。

お渡しする瞬間はドキドキします。
両手でフワッと受け取っていただける瞬間、
こちらの気持ちも、フワリとします。

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既存の額縁のマットボードを変更するだけでも、印象は変わり、
グッと良くなります。

作品展で購入したポストカードを、本格的な額縁におさめてくださるかたもいらっしゃいます。

簡単なところから、ちょっと挑戦してみても面白いですよ。

作品と出会った瞬間の感動や喜びが、気持ちの納得するかたちで
額縁におさまり、毎日、眺めることができる。
そんな感動を日々の暮らしのなかで、感じてもらいたい。

いつもそう思い続け、製作しています。

お気軽にご相談ください。

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2017年、今年最後のオーダーメイドの額縁製作ブログとなります。

「これを飾りたいんです」

というご依頼主の一言から始まる、額縁の物語。
たくさんの出会いに感謝。
巣立った額縁にエール。

今年もありがとうございました!
来年もよろしくお願いいたします!

みなさま、良い年をお迎えくださいませ。



majakka(マヤッカ)額縁作家・中原あずさ



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木の額縁
材種:タモ
その他使用材料:デニム布、木綿布、和紙、ろうけつ染め紙
サイズ:400×400×20㎜ 
参考価格:32,000円

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** majakka「家具+額縁」WEBサイト ・・・→ こちら

** 額縁のご注文は ・・・→ こちらのページから



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2017-12-04

はじめて見つけたものを飾る額縁

こんにちは。
majakkaのオーダーメイド額縁です。

しばらく更新に間があいてしまいました。
パソコンの故障で、バタバタしておりまして・・・

ようやく「いつもの」状態に戻ってまいりました。
また、よろしくお願いいたします。

さて、今回ご紹介する額縁は、
「きっと誰にでも、あるんだろうな」

そんな、こころあたたまる
想い出・記憶・気持ちがおさまる額縁です。

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「はじめて、見つけたものなんです。これを飾りたいんです」

保存が難しくて・・・
でも、ずっと持っていました。

出てきたものは、プラスチックの箱に入った四つ葉のクローバー。
きれいなドライフラワーになっていました。

しかし、茎はとても繊細で少しでも手荒に扱ってしまうと
茎と葉は外れ、葉もカサカサとくずれてしまいそうです。

でも、ずっとずっと、大切に保管していたんだろうな。
その気持ちが伝わってくるご依頼品でした。

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まず、全体の雰囲気を一緒に考えます。

あったかみのある、木の額縁が良いかな、と。

背景は、「布」をおすすめしました。
もし、お気に入りの思い出ある布があれば少しわけていただいて、
その布を使うこともできますよ、とお話ししながら。

木の額縁と、飾られるものと、検討しながら
布は、majakkaの製作で使うためにストックしてあるものから選びました。

四つ葉のクローバーを飾る木の額縁・majakkaオーダーメイド額縁

奥ゆきのある『箱額縁』は

そのひとにとっての、大切な想い出や記憶をおさめるための、
標本箱でもあると。

わたしは、考えています。

ひとつ、ひとつの、想いをお預かりして、
とくべつな『箱』を仕立て、そっと、おさめていく。
とても静謐な作業です。

おさめることで、想い出は
みえるかたちで、触れることはできないけれど
そのひとのそばに、永遠に寄りそいます。

わたしは、額縁は全ての人のためにあると思っています。
すべてのひとに、きっと、忘れられない、失くしたくない
唯一の大切なものがあると。

それをおさめ、飾るための箱として、額縁は存在しているし、
そのひと達の想いがどこかへ、迷子になってしまわないよう
わたしは額縁を作っています。

四つ葉のクローバーを飾る木の額縁・majakkaオーダーメイド額縁

完成した額縁をお渡しするときに訊きました。

「この四つ葉のクローバー、いつ見つけたものなんですか?」

「この子くらいのときかな」

そばには、4才くらいになるお子さまが寄りそっていました。

お母さんが、そう。あなたくらいの年齢のときに。
はじめて、見つけた四つ葉のクローバー。

わたしたち大人が見失ってしまいそうなものも
こどもの頃のわたしたち、
そして、こどもたちは
みつけているんだな。

あなたの想い出の「もの」は、なんですか?


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箱型・木の額縁
材種:タモ
その他使用材料:麻布
サイズ:160×110×30㎜ 
参考価格:14,500円

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** 額縁のご注文は ・・・→ こちらのページから



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2017-10-25

亡き人を想う飾る、額縁に

こんにちは。
majakkaのオーダーメイド額縁です。

ひとは、なぜ飾るんだろう。
なぜ、飾るという「行為」をするのだろう。

ということと、いつも真剣に向かい合っています。

わたしには2つ齢の離れた姉がいました。
姉は数年前に亡くなりました。
4人家族のなかで、誰よりも先にいなくなってしまうんだろうな、
という気持ちの整理はついていたけれど
実際にその時を迎えると、気持ちはついていかなかったなあと思い出すのです。

そして、整理がついていないからでしょうか、
姉の姿を飾る、自分のための額縁が、いまだに作れないのです。

そう。
なぜ飾るのか。
自分自身の気持ち・心の整理をつけるために
飾るのでは、ないでしょうか。

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前置きが長くなってしまいましたが、
今回、ご紹介する額縁、
ご依頼のされかたが、とても素敵だったんです。

亡きお父様とお母様とお兄様を、ひとつの額縁に飾りたい。
そして、真珠も一緒に飾りたい、と。

真珠?
お話しを伺うと、
お父様がお母様に贈られたものとのことでした。

わたしに託されたけれど、これはわたしではなく母が持つべきもの。
だから、額縁に一緒に飾りたい、と。

糸からはずされて保管されていた真珠を
ぱらりぱらりと自然にまくような
そんな印象で布に縫い付けていきました。

亡き人を想う飾る、額縁・majakkaオーダーメイド額縁


亡き人を飾る、遺影には、こんなかたちでは…
という既成概念があるのかもしれません。

でも、その写真を大切にそばに置くのは
そのかたと、いちばん近くにいた親しいかたのはず。

だからこそ、既成概念で飾りかたを決めるのではなく
そのひとにとって、
いちばん寄りそえるかたちにすることが大切なのではないかと思うのです。

ご依頼主の希望で、青色に仕上げた清々しい額縁。

亡き人を想う飾る、額縁・majakkaオーダーメイド額縁


額縁は誰のためにあるのか。
そのひと自身のためにあると。

いつか、わたし自身にも
姉の姿を飾る額縁を作りたいな、そう思うのです。


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色の額縁
サイズ:130×130×40㎜ 
参考価格:42,000円

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2017-10-11

気持ちを贈る額縁

こんにちは。
majakkaのオーダーメイド額縁です。

自分の気持ちを伝えるために
手紙を書くような想いで・・・
自分の気持ちを贈る、額縁をつくる。

そっと差し出されたものは
ちいさな、くるみボタンでした。

「妻が手作りしているものなんです」

ひと針ひと針、丁寧に刺繍されたものが
ボタンに仕立てられていました。

このボタンを額縁に飾り、奥さまに贈りたい。
旦那さまの、やさしい気持ちがフワーッと伝わってきました。

季節は冬。

「クリスマスに間に合うでしょうか?」

そう。
クリスマスの贈りものなのです。

手作りのボタンを飾る箱型額縁・majakkaオーダーメイド額縁

額縁自体は、立てて置いて飾れるちいさなもの。
構造・サイズ感はすぐ決まりました。

お客さまは、ぐるり店内を見回して、しばらく考えます。

「出すぎず、引っ込みすぎず、そんな額縁に」

ごくごく当たり前の普通の額縁ではなく
でも、あまりに「前に出てしまう」個性の強すぎる額縁でもなく。

飾る中身をひきたてながら
ここで作る(majakkaで)他にはない、特別なものを希望されていました。

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オーダーメイドは、足し算と引き算であると考えています。

どう飾るか、構造を考え、
お客さまの好みを背景に、中身とのバランスをみて
あの要素も欲しい、これも加えよう・・・

まず、必要と思われることを全てプラスして行く作業を、
足し算のアタマで考えます。

そして、そこから
本当に必要なことを、見い出していきます。
足し算で盛って盛られ、影に隠れてしまいがちな「主役」を前に出すために。

主役(飾られるもの)が活きるために
必要なもの・要素は何か。
すこしずつ、余分なものをそぎ落としていく、引き算の行為です。

足して、引いて、
オーダーメイドはバランスです。

majakkaの額縁は、たしかに個性的なものが多くあります。

でも、その個性ばかりが目立ってしまっても
お客さまの、欲しいと感じるものに近づいていなければ
無駄にうるさい額縁になってしまうし、逆も然り。

シンプルすぎては、せっかくのオーダーメイドなのに
なにか物足りない・・・と。

この狭間で、考えます。

手作りのボタンを飾る箱型額縁・majakkaオーダーメイド額縁

クリスマスの朝に、奥さまからお写真とともに
メールが届きました。

「額縁ありがとう。」

お客さまの気持ちと
つながる、うつくしい瞬間です。



・・・・・・・・・

気持ちを贈る。
贈りものの額縁のご依頼は、おはやめに。

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箱型・木の額縁
材種:タモ
その他使用材料:麻布・胡粉・膠
サイズ:130×130×40㎜ 
参考価格:25,000円

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2017-09-23

飾る大きなアルバム、という額縁

こんにちは。
majakkaのオーダーメイド額縁です。

たくさん一緒に考えて、迷って、悩んで・・・

だからこそ、納得する
本当に欲しかった額縁。が、完成しました。

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はじまりは、一本のお電話でした。

「オーダーメイドの額縁というのは、どういうものなのでしょう?」

つまり、どういうものを作ってもらえるのか?
ということを訊いてくださいました。

普通の額縁屋さんにも足を運んで
枠を選んで、見積りを出してもらったりもしたけれど
なんか、ちがう。
しっくりこない。
これかな?これでいいのかな?
そう思うなかで、ここmajakkaに辿り着いたそう。

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お電話の後、
ご家族でご来店をいただくと、
ご夫婦それぞれに、「こんなふうなものがいいな」の理想像が
それぞれに存在していることが、わかりました。

でも、壁に掛けるものは、ひとつ。
だからこそ、お互いが納得のいくものを作りあげなければ
想いはちぐはぐになってしまいます。

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今回、額縁をつくることの「背景」がお客さまにはありました。

まず、結婚5周年の記念として。
そして、子どもの工作や絵、家族写真を飾りたい。
さらに、子どもが大きくなったときには、贈りものとしたい。
という特別な想いのこもる額縁に仕上げたい。
とのことでした。

そんな背景があるため、
いわゆる、普通のモールディングの額縁・・・
サイズに合わせて切って組み上げて、はいどうぞ。

では、どうも納得がいかない。
ということが、伝わってきました。

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ご来店後は、メールというより
往復書簡のような、繊細なやりとりが続きます。

お客さまも、作り手も
お互いに納得のいくものを作りあげたい。
だからこそ、妥協することなく
ちいさな疑問も、どんどん投げてもらいながら
それをきちんと拾い集め、
言葉・文章として伝えていきます。

そう。
「これを作ります」という目に見えるかたちは
この時点では、見えていないのです。
たよりになるのは、
お互いの言葉にズレが生じないよう
そして、浮かび上がるビジョンが少しでも一致するよう
時間をかけてやりとりするメールが、かなめとなります。

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結果、完成したものは、ご夫婦ともに
ご納得・満足されるものとなりました。

飾る大きなアルバム、という額縁・majakka

しっかりと「木」感のある、
イミテーションの木ではない本物の木を望まれていたので、
無垢の木から、ゼロの状態から作ることのできる
ここmajakkaならではの額縁は、
本当に、お客さまのご希望にピタリと寄りそえるものとなりました。

また、板状の無垢の木から、かたちを切り出していくので
今回のご注文では、お客さまの書かれた断面図の図面をもとに
希望するかたちの額縁をつくりました。

飾る大きなアルバム、という額縁・majakka

ふわっとまるい、やさしい木面。
他のどこにもない
お客さまだけのオーダーメイドの額縁。

お渡しして、素直なご感想をいただけたとき、
額縁屋としての仕事は、やっと終わります。

完成が終わりではないのです。

お客さまの表情に
あー、こんなふうになったんだあ、という驚きと
満足のいくものができた、という安心感とよろこびと。

それらが、伝わってきたとき
ひとつの額縁が完成します。


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木の額縁(スペーサーあり・立体物も飾れる仕様)
材種:タモ(ホワイトオイル仕上げ)
サイズ:949×702×25㎜(A1サイズポスター対応サイズ) 
参考価格:80,000円

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